「合板(ごうはん)」とは、原木を大根の桂むきのように薄く剥いたもの(単板=Veneer)を乾燥させ、
単板の繊維方向(木目方向)を1枚ごとに直交させて、接着剤を塗布して積み重ねて貼り合わせたものです。

1合板の特長

木材は、軽い、断熱性や吸音性がある、調湿作用がある、香りが良い、温かみがある、加工しやすい素材であり、特に日本のような高温・多湿の環境では欠かせない材料として、古くから利用されてきました。合板は、そんな木材の優れた特性をすべて備え、さらに木材の持ついくつかの欠点を製造技術で補正して、木材より強く、幅が広く、伸び縮みの少ない優れた材料に作り上げたものです。

  • (1)重さの割にその強さが大きい
  • (2)広い面積が得られる
  • (3)伸び縮みが少ない
  • (4)切断、釘打ちが容易である
  • (5)面としての強さが得られる
  • (6)木材だから熱伝導率=小、比熱=大
  • (7)乾燥木材だから電気伝導性が少ない
  • (8)木材だから音・機械的振動の吸収性がある
  • (9)木材だから視覚・触感にやさしい
  • (10)木材だから和らかな感覚を与える

2合板の積層と寸法

厚さ(標準的寸法)

普通合板 2.3、2.5、3、4、5、5.5、7.5、9、12、15mm など
構造用合板 5、5.5、7.5、9、12、15、18、24、28、30、35mm など

厚さごとの積層数

15mm未満 3プライ(3枚合わせ)以上
15mm以上〜18mm未満 4プライ(4枚合わせ)以上
18mm以上〜24mm未満 5プライ(5枚合わせ)以上
24mm以上 7プライ(7枚合わせ)以上

幅・長さ(標準的寸法)

910×1,820mm(3×6 サブロク)
910×2,430mm(3×8 サンパチ)
910×2,730mm(3×9 サンキュウ)
910×3,030mm(3×10 サントウ)
1,000×2,000mm
1,000×2,430mm
1,000×2,730mm
1,000×3,030mm
1,220×2,430mm(4×8 シハチ)
1,220×2,730mm
1,220×3,030mm など

3合板の種類

JAS(日本農林規格)で規定される合板には、次のものがあります。

種類 細分類 接着耐久性区分 主な用途
普通合板 1類、2類 一般的な用途に広く使われる合板
構造用合板 1級 特類、1類

使途:構造耐力上主要な部分(木造建築物の壁下地材・床下地材・屋根下地材など)に用いる目的で製造された合板

流通:1級の流通量は少なく、基本的に特別注文となる。

2級

使途:構造耐力上主要な部分(木造建築物の壁下地材・床下地材・屋根下地材など)に用いる目的で製造された合板

流通:2級合板でも一般的な使い方では強度は十分な余裕があり、構造用合板として流通しているほとんどが2級合板

コンクリート型枠用合板 表面加工なし 1類 コンクリート打込み時にその堰板(せきいた)として使用される合板
表面加工あり 通常のコンクリート型枠用合板の表面に、塗装・オーバーレイなどの加工をしたもの
化粧ばり構造用合板 特類、1類 構造用合板の表面または裏面に化粧単板を貼ったもの
天然木化粧合板 1類、2類 普通合板の表面に、美観を目的として天然銘木の薄い単板を貼り、住宅の内装用や家具用に用いられる合板
特殊加工化粧合板 1類、2類 普通合板の表面に美観と耐久性を目的として天然銘木以外のものを貼ったり、木目模様などを印刷加工した表面加工合板

4合板の用途

優れた強度と耐震性で高い評価を受ける合板は、用途に合わせて豊富な種類を製造し、建築材料などとしてさまざまな場所に使用されています。

例えば住宅なら、こんな部分に使用されています。

ハヤワザ

屋根下地用の合板。幅がせまく、高所で傾斜のある場所での作業性が高く、安全性も抜群。

針葉樹構造用合板

この合板を使って耐力壁を作れば、耐震性・耐風性を飛躍的に高めることが可能。

ネダノン

床用の構造用合板。根太を必要としない床用の合板で、工期の大幅な短縮が可能。製材板で構成した床に比べて、耐震強度も強い。